「私達を………元の世界に返してッッ!!!」
あかねの声が神泉苑一体に響く。
対するアクラムは昔のお蝶婦人よろしくニッコリ笑って、時空をちょこーっと歪めて現世の世界を写し出す。
そこには…先程落ちて来た井戸が見えていた。
「そうだ!俺達は帰るんだよ!!!」
天真の叫び声もまた神泉苑に響き渡る。
そんな時だ。

く〜〜〜る〜〜〜♪
きっとくる〜〜〜〜〜〜♪

何処からともなくソプラノな歌が流れると共に、井戸がゆっくりと開き始めた。
「……?」
何か気配を感じたのか、泰明の顔が曇る。
造られた美…とでも言うのか、その顔もまた腐女子のハートを鷲掴みにする程美しかった。
「どうかなさいましたか?泰明殿…。」
怪訝な表情を読み取った頼久は、泰明を見つめる。

しかし。

「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
「うわぁぁぁぁぁぁぁっっ!!」
「来るーーーーーーーーー!!!」

そんな3重奏に二人もまた我に返る。
「神子殿!どうかなされましたか?!」
声のする方を見つめると、そこには怯え固まった詩紋・あかね・天真の姿が。
「こ…この音楽……。」
「アレだよな…。アレが出て来るんだよな…。」
「ぼ…僕、アレ…怖くて途中で映画見るの止めたのに…。」
「地の朱雀、何があったんだ?」
「あ………。」
泰明さんが思わず詩紋の肩をガクガクと揺さぶり、尋ねはじめる。
詩紋は、ただまっすぐ井戸を指差すだけだった。
振り向く頼久。

ゴトリ。

ズッ………ズッ……。

…ゴト…ン。


井戸の蓋がゆっくりと開き、地面に落ちた。
そして、その蓋の元あった位置から

手が1本。

2本。

そして、髪の長い人間らしき者が井戸からゆっくりと出て来る。
「あああああ……。」
「おい!お前……!早く!早くここの空間閉じろ!!!!」
目を見開き、震える足で立っているだけで一杯なあかね。
さっきと言ってる事はてんで逆だが、天真はかなり必死になってアクラムに叫んだ。
また、アクラムも凄く嫌な予感がして空間を閉じ始めた。

やがて、井戸から降りて来た人物はひたひたとこちらに向かって歩いて来る。

しかし、一寸早くアクラムが空間を閉じ終えた。
「……………ふぅ…。」
ホッと胸を撫で下ろし、あかねに声をかける詩紋。
「あそこって、僕達が落ちた井戸なのにね…。なんでアレが出て来るんだろう…?」
「わ…分らないよ…。あたしだって…何がなんだか全く分らないのに…。」
アクラムもまた背中とか脇とかに汗をかいていたが、それは秘密にしておいて話を続ける。
「じゃ……気を取り直して、我が元に来い、龍神の神子!」
「しつこいー!わたし、意味が分らないんだけれどッッ!!」
喧々囂々とやりとりが続いている最中、また異変が起こった。


ざばり。


泉が波立つ。


ざばり。


またしても泉が波立つ。


「え?」


く〜る〜〜〜〜♪

きっとくる〜〜〜〜〜〜♪


またしても先程と同じフレーズが流れ、泉から人が立ち上がった。
しかも、アクラムの真後ろに。

「っきゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああ!!!」
「…?………ぅぅぅうわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっっ!!!」
その人間は、じっとアクラムを見つめるだけ。
暫くすると、何故かアクラムがパタリと倒れた。
すでに生気は無い。
傍目から見ても分る程、じわりじわりと腐れていくのだ。

「げ……っ!」
「な……!!」
余りの出来事に目を見開く天真と頼久。
泉に立っていた人間は、ゆっくりと陸に上がって来る。



口元にニッコリと笑みを浮かべて。
「………さぁ、ネオロマンスゲームの始り……。」






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貞子ネタで申し訳ないです。
しかも一発目から。面白く無いし(汗)。
ツッコミは勘弁して下さい。
あぁ!!皆、避けないでッ!!!(汗)
お帰りはブラウザバックで……。













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